| 湯倉神社(ゆのくらじんじゃ)
今から約550年前のこと、木こりが小高い丘でひと休みしていると、眼下に見える大きな水たまりから、湯気が上がっているのに気がつきました。木こりが両腕を痛めて仕事に不自由したとき、この湧き湯を思い出して湯治をすると、3週間ほどですっかり良くなりました。お礼に木彫りの薬師如来をつくり、この地に祠を建ててお祀りしたのが、湯倉神社の発祥だとされています。この言い伝えからは、かなり昔から自然湧出した温泉の存在とその効能が知られていたとうかがい知ることができます。また、江戸時代前期の松前藩主高広が、幼い頃重い病気にかかった時に、母親の夢のお告げで温泉を見つけて湯治によって全快したという伝承もあります。このお礼として薬師堂が再建され、黄金の薬師如来と鰐口(わにぐち-右写真)を献じています。今も湯倉神社に伝わっている鰐口には、松前千勝丸
(高広の幼名)の名で承応3(1654)年に奉納されたという文字が刻まれています。
温泉発祥地の碑もある湯倉神社は、温泉街を散策するには絶好の起点になります。まずは境内に向かう階段を登り、大鳥居の前に立っていにしえからの温泉郷を見わたしてみましょう。今は建物のおかげで温泉郷の全体を見わたすことはできませんが、いつか木こりが見た風景を想像することは、それほど難しいことではありません。
※市民の間では「ゆくら」と通称されています。
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